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a hectic day vol.3(ホームパーティー編)
ESLへの申し込みを終え、帰途につきました。

が。
今日はこれだけで終わりではないのですよ。

ホームパーティーに参加することになっているのです。

シカゴGSBの入学式の時の様に、妻の後ろに隠れる訳にはいきません。

なんせ今回は「配偶者」だけのパーティーですから。



シカゴGSBに通う学生の配偶者/婚約者で構成されているChicago Partnersという団体があるのですが、そのパーティーが今夜あるというのです。

私はChicago Partnersにまだ加入していないものの、飛び入りも可と言うことなので、Tさん経由でKさんにご尽力頂き、参加出来る事になりました。

2年生の配偶者は酒のつまみを、1年生の配偶者は飲み物を持ってくるということだったので、家の近くで赤ワインとダイエットペプシを購入し、他の日本人配偶者の方々とともにパーティーが行われるお宅へ向かいます。

会場となるお宅はこちら、シカゴを代表する建築物の一つ、Corn Cobsこと、Marina Cityです。
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ダウンタウンの中でもひときわ目立つこのトウモロコシビル。
普通は(当たり前ですが)なかなか入る事が出来ません。なんせ住居ですから。住人の方に招いてもらうしかないわけで、一度は中を覗いてみたいと思ってましたが、その夢が叶いました。

およそトウモロコシ2粒分が一つの住居になっています。(ひょっとしたらもっと小さい単位もあるかもしれませんが、私がお邪魔したのはそういう作りでした)

最上階近くでエレベ−ターを降り、会場となるお宅に入って行くと、既に代表者のスピーチが始まってます。

女性ばかりが40名以上。8割程が白人女性です。俗に「インターナショナル」と呼ばれる、アメリカ以外の国から来た人達は1割もいないのではないでしょうか。子供連れの姿も散見されます。

うわっ。俺この中に入るのか?! 今更ながらに身の竦む思いがします。間違って全米ガールスカウトの集団に混じってしまった日本人ボーイスカウトと言った気分。喩えになってませんが。
緑一点なんて生易しいものじゃないですな。

集団の外側にたち、挨拶の言葉を聞きます。えーと。良く聞き取れません。なんか言ってますが楽しくやろうとか、今後の予定とかを話しているのだろうなぁくらいしか分からず。おいおい大丈夫か俺。

よく見ると遠くに男性が一人。あれは誰だ。もしや俺と同じハウスハズバンド?と思いきや、大学から監督者として派遣されて来た院生の方と判明。おー残念。マイノリティ中のマイノリティだな俺は。

代表者各位からの挨拶も終わり、パーティが始まると、もの凄い騒ぎ。そこら中で会話の輪が出来始めます。すげぇ騒々しい。広い家とは言え、40人以上の女性が一斉に話し始め、方々で叫ぶ子供達の声も混じれば、その騒々しさたるや想像を絶します。

あまりの迫力に、完全に場に飲まれ呆然とする事しばし。えーと。俺はここで何をしているんだっけか。いや何をすべきなんだっけか。

とりあえず一昨日の入学パーティーで得た教訓の元、目が合って、しかも誰とも話していなさそうな人を捕まえてはシェイクハンドでナイストゥミーチュー。参戦開始。

ネイティブスピーカーの容赦の無さというものを実感しました。容赦がないって、別に悪気があってのことではなく、英語が苦手な人間への対応の仕方に慣れてないということ。
どっちかってーと、悪いのこちら? いや善し悪しの問題じゃない。
また会場の騒がしさがとんでもないため、相手の声が非常に聞こえ難いのも悪条件になりました。パーティーってのはそんなもんでしょうが。居酒屋に入ったら横で女子大生が新歓コンパをやっていた。それくらいの騒音を想像して下さい。

相手「モニャモニャモニャ? ハウモニャモニャモニャ?」
私「?? パードゥン?? ソーリー、アイドンアンダスタン」
相手(大きい声で)「モニャモニャモニャ? ハウモニャモニャモニャ?」

いや、同じスピードで同じ内容を繰り返されても分からんものは分かりません。ごめんなさい。

互いの自己紹介、住所、職業、配偶者の前職、シカゴに来る前の住所。生まれ。結婚して何年目、子供の有無、大体会話の内容は決まってます。

問題はこれらの質問の応酬が終わった後。俗に「天使が通る」なんて粋な事を言いますが、実際そんな優雅なものではありません。

「ちょっと飲み物を取ってくるね」やら「食べ物探して来よう」と上手くその場を離れることが出来れば良いのですが、それも失敗するとさあ大変。天使の三社祭がワッショイワッショイ、そこらをグルグル回り始める事になります。互いに見つめ合い、様子を伺う様はK−1かPRIDEの試合に匹敵しようかという緊張感。

この2時間半、たまに一緒に来た他の日本人配偶者の方々と話をして頭を休めたものの、もの凄い量の英語のシャワーを浴び続けました。脳味噌オーバーヒート。言語中枢がイカレ始め、自分が話す英語もとうに解体、五文型も関係代名詞も三単現のSも現在完了も過去完了も仮定法も銀河の彼方イスカンダルへと飛び去り、自分でも一体何を喋ってるのか分からなくなってきます。

頭を冷やそうと、ベランダに出て夜景を撮ってみたり。素晴らしい眺め。
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なんと屋上に出て、360度の夜景を楽しむ事も出来ます。なんという贅沢。現実逃避。
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現実に帰還。さあ再チャレンジ。気力はいくらも持ちません。
相手の言ってる内容が聞き取れず、何度も繰り返し聞き返す気力が尽きると、気がつけば適当に相づちを打つ自分が居ます。

相手「もにゃもにゃ!もにゃもにゃもにゃーもにゃ!」

私「へぇー本当!そりゃ愉快!」

もしかして「昨日飼ってたネコが死んじゃったの」とか言われてたらどうしよう、とか思いながらも満面の笑みを浮かべたり。ドキドキ。

また、たまに聞き取れたにしても、それに対して自分が全く知識が無かったりすると、会話も続けられません。

私「どこの出身ですか?」

相手「ミネアポリスよ!」

私(ミネアポリス! 何があったっけ? うわ全然知らねぇ!)

私「・・・・・・・・。」

相手「・・・・・・・。」

天使「ワッショイワッショイ!! ワッショイワッショイ!!」

いやはや。働いている頃は伊達や酔狂で営業をやってた訳ではありません。必要とあらば初対面でも2時間くらい話しをつなげるのは簡単でした。
日本語ならな。

「私の言葉の限界が、私の世界の限界を意味している」と言ったのはウィトゲンシュタインでしたっけか。本来の意味は違うのかも知れませんが、そんな言葉が今夜の私にはぴったりです。

パーティーの一次会も終わり、なんだかボーッとした頭で家路につきます。
アパートに帰りTVをつけると、つい、もの凄い集中力で聞き取ろうとしてしまう自分が。いやそれ保険のCMだから。なんか頭の中で変なスイッチがONになってしまったようです。

ほどなく、ウィスコンシンで馬鹿騒ぎ(推定)している妻から電話。妻曰く、この電話で今日初めて日本語をきちんと喋ったと言うくらい、英語でしか口を利かなかったとの事。おーそれは凄い。色々友人も出来て楽しんでる様子です。

私が今日したことを妻に報告したところ、「Oh! Good!」と相づちを打たれました。
自分で言うなり、爆笑する妻。本当に思わず言ってしまったようで。

どうやら頭の中の変なスイッチがONになってしまったのは私だけでは無かったようです。

そんなわけで、てんやわんやな一日でございました。

おしまい。
by twitetta | 2005-09-08 23:06 | 日記
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